"もっとも、とは言えそのためだけに私がそのノートの復元を引き受けたとするのも、これまた大いなる嘘だ。実際のところ私は、スピードワゴン財団が最初に話を持ちかけてきた時点で、つまりそんなノートがかつて存在していたことを知らされた時点で、甘い誘惑にかられたという事実を告白しないわけにはいかない。やってはならないことだと強く思った、しかし少なくとも同じ程度にはやりたいと思ったのである。かつて世界を暗黒に陥れんとした男、ディオ・ブランドー。否、ディオ・ジョースターと呼ぶべきなのか——それとも単純にディオとだけ呼ぶべきなのか。とにかく、人間を超越したかの吸血鬼が自身の目的を書き記したというノートの存在を知ってしまって、奮い立たない研究者はおるまい。誤解を恐れずに言えば、そこで良心が先に立つようでは学者ではない。空条氏が焼き払い、スピードワゴン財団内でも存在自体が第三種極秘事項、要するにトップシークレット扱いされているノートの復元、そして解読に、私が挑みたくないわけがない。悪をも誘惑する強烈なカリスマで多くの部下を魅了したかの吸血鬼が、邪悪の化身と評されたあの男が、その死後も残る大きな影響力を持っていたあの男が、一体何を考え、何を企み、どう生きたかを、知りたくないはずがないのだ。だから言い訳はできない。空条氏のため、また世界の平和のためなどという聞こえのよい言い訳は、正直なところ私に関してはあまり成立しないのだ。"
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