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優れた人はいるでしょう。

専門知に秀でた人もたくさんいるでしょう。

商才に秀でた人も、数えきれないほどいるでしょう。

人あたりのいい、感じのよい人もいるでしょう。

けれど、誠に残念なことに、人物と呼べるほどの人はいない。

みな才子なのです。

小利口で、目端がきいて、気の利いた事もいえる。場合によっては、大物ぶってみるほどの技すらもっているでしょう。

良心的で、真面目で人間愛に満ちている。

けれども、到底人物とはいえない。

小粒な、おさまりのいい、メディアが重宝がるだけの存在にすぎない。

深みもなければ、重みのない。

要領だけは滅法よく、情報技術に通じている。

そういった小粒な才子は、いくらでもいるけれど、人物と云い得るほどの存在は、まったくいないのです。

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「人物の器量」 福田和也